過失割合(過失相殺)とは

 任意保険未加入の方から次のような事故相談を受けました。
 
 「私が優先道路を直進中、交差点を通過しようとしたら左方道路から急に飛び出した相手車両に衝突(相手方には一時停止の標識)されました。相手車は高級外車。修理代が当方車両20万
、相手車両は40万
 後日相手保険会社から連絡があり、過失割合は当方10%、相手90%。自車両修理代の内2万円と相手車両修理代4万円、計6万円はあなたの負担になると言われた。相手保険会社から受取れる保険金は差し引き14万円。
 自分としては何も悪いと思っていない。過失がどうして発生するのか理解できない。相手の修理代の一部までどうして負担しなければならないのか?納得できない。相手方100%にしてもらえる何か良い解決方法はないか?」
 
 というものでした。

過失相殺とは、当事者間の損害の公平な分担を目的としており、過失相殺の割合は過去の判例によりおおよその基準ができています。保険会社は、東京地裁民亊第27部(交通部)編『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準』(別冊判例タイムズ)等をもとに過失交渉を行っています。

過失割合が明らかにどちらか100%である事故はそんなにありません。センターラインを超えて衝突した、信号待ちで止まっている車に追突した、信号機の設置してある交差点で明らかに青赤が判断出来る状況で衝突した場合は別として、当事者双方に何らかの過失(責任)がある場合がほとんどです。

もちろん杓子定規に無理やり事故状況の似ている過失割合を当てはめているわけではありません。

 たとえば、道路を直進中脇道から急に飛び出されて回避しようとしたが、それでも道路が狭く衝突が避けられなかった等の事情があれば相手方100%の過失にしてくれます。相手保険会社から過失相殺の話があっても、道路状況等の特殊事情があれば主張すべきところは主張すべきなのです。事故現場・状況の十分な事実確認が必要なのです。

上記事故相談のような場合で双方に過失が認められれば賠償すべき損害額を双方の不注意の割合に応じ減額し合うことになります。当事者の多くは過失割合に納得せず不満を感じることがあると思いますが、そのような基準がなければ解決できないということも理解しなければなりません。 もちろん、調停・裁判で最後まで過失割合を争うことは可能ですが、その時間と費用を考えると大変面倒なことです。

もし、当方が10%、相手が90%という割合なら、当方の負担は相手損害額の10%、相手の負担は当方の損害の90%となるわけです。 お互い相手方の損害に対して自分の責任割合分を負担する形にな ります。つまり、自分のクルマの修理代は相手から相手の過失割合分だけしか払ってもらえませんし、相手のクルマの修理代も 自分の過失分を負担しなければなりません

こうした相手方の一方的な過失と思われるような事故でも過失分を負担させられる場合もあります。その為にも任意保険加入が必要なわけです。 また、こういう場合も考えて車両保険も同時に付けてほしいと思います。過失割合が10%であろうが90%であろうが自分のクルマ、相手のクルマ全て保険で支払ってもらえます。 過失割合を気にすることはありません。

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 自転車(自分)対クルマ(相手)の事故でも過失割合(過失相殺)が発生します。

自転車乗車中の事故だから、全ての事故がクルマ(相手)の保険でカバーしてくれると思っている方はいませんか? 自転車は道路交通法では軽車両になります。自転車の交通違反は軽く考えがちですが罰則は基本的に自動車と同じになります。信号無視や一時停止違反をすると、か月以下の懲役または万円以下の罰金になります。死亡事故を起すと刑法の重過失致死罪の適用もあります。

過失割合もバイクよりは有利な過失相殺率になっていますが歩行者と同程度にはなっていません。 たとえば、交差点以外での自転車横断(自転車横断帯以外)でクルマと衝突した場合、基本的には自転車側にも3割の過失が発生します。

自分のケガについては、相手の自賠責保険(120万円)限度内であれば問題ありません(過失相殺はない)が、物損事故においては相手車両修理代の過失分を負担させられます。自転車の対物賠償で 1万円いただいたとしても、クルマの修理代が20万円だったら6万円の負担を求められ、差し引き5万円の賠償が請求されます。

自転車保険が発売中止になっている現在、対応できる保険が、「個人(生活)賠償責任保険」です。傷害保険の特約として付いていますが、自動車保険の特約で付いている「個人(生活)賠償責任保険」の方は示談交渉付で便利です。


 重過失と著しい過失。

基本的な過失割合は事故状況により修正されます。 皆さんに知っていて欲しい修正要素として、重過失と著しい過失があります。

重過失とは、「居眠り運転」「道交法上の酒酔い運転」「無免許運転」「時速30Km以上の速度違反」等で10〜20%過失が多くなります。

著しい過失とは、「脇見運転等前方不注視の著しい場合」「酒気帯び運転」「時速15Km以上時速30Km未満の速度違反」「著しいハンドル、ブレーキ操作不適切」等で5〜10%過失が多くなります。

こんな運転は絶対しないでください。自分が損するだけです。

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